よい子の童話B〜3匹の子豚〜





昔々あるところに、3匹の兄弟豚が住んでいました。
この3匹は非常に仲が悪かったので、
コレ以上森を壊される事を怖れた動物達に強制的に
丘の上にそれぞれの家を立てることを命じられました。

一番上の子豚は丘の手前に何を勘違いしたのかワラで竪穴式住居を作りました。
「一度、この藁カマクラに住んで見たかったんだー。究極のエコロジーハウスだもんねー。
いずれ2人で住む家だもん。志貴も喜んでくれるといいなー。」
やや妄想気味の姉豚が出来立ての家を前に微笑んだ瞬間。
見覚えの有る弾丸が藁の屋根に打ちこまれ、
あっという間に炎の塊と化してしまったのです。
「シエル!なんてことしてくれたのよ!」
「私の遠野君にこんな原始人のような生活をさせるわけには行きません。」
にっこりと微笑んだ2番目の子豚は止めを刺すように、コレ以上無いくらい徹底的に
燃え残った残骸を黒鍵で壊します。
「何?アンタ今回も狼なの!?所詮悪役しか出来ない女はおとなしく殺されていれば?」
「残念ですが、私は今回、狼では有りません。そういう言う貴方こそ
化け猫はやめたんですか?」
にっこりと微笑み合い、走り出す2人。
「・・・・・。そう言う配役ならアンタの家も粉々に破壊してやるから!」
「出来るものならどうぞ。私の持てる限りの魔術と技術を結集して創った、
最高のペンション風ログハウスを、吸血鬼如きが壊せるわけ無いですからね・・・」

やがて2匹の子豚はかつて家が有ったであろう残骸の前にたどり着きます・・・。
「・・・これは?いったい誰がこんな事を・・・」
「シエル・・・こんな看板が立ってるよ」
姉豚の視線の先には『遠野家専用自然公園建設予定地』と大きく書かれた看板がたっています。
「ふふふ・・・やってくれるじゃないですか。私に喧嘩を売ろうなんて良い度胸です・・」
肩を震わせた2番目の子豚は残骸から伸びるブルト―ザーの跡に気がつきました。
「待っていなさい。遠野秋葉。レンガだろうがなんだろうが徹底的に壊してさしあげます・・・」
暗い微笑を浮かべながら2番目の豚はキャタピラの跡を追い始めました。
「って、待ちなさいよシエル。あたしの家壊した責任はどうしてくれるのよ―。」
姉豚も慌てて妹豚の後を追います。

「どうやら来たようね。琥珀。トラップの準備は良い?」
「はい。秋葉様。あの方達の行動シュミレーションを元に、
作成した別荘型要塞の準備は万端です。何時でも捕獲が出来ます。」
「これで、邪魔者も無く、狼の兄さんとゆっくりと・・・」
上気した顔で何かを妄想しながら電源のスイッチをいれる末の妹豚。
「秋葉様!大変です。こちらの数値を上回る威力で次々にトラップを突破しながら
屋敷に近づいています。このままだと屋敷内のトラップにかかる可能性も70%を
割ってしまいます!」
「なんですって!」
急に現実に引き戻された妹豚は、応戦しようと焦ってドアから外に出てしまいました。
「きゃー・・・・」
そして屋敷の入り口でも同様の悲鳴が2つ・・・。
「・・・・こうなったら、作戦変更よ。
後からやってくる兄さんに、先に助けてもらって、2人を抹殺すればいいわ・・・。
ああ・・・。早く兄さんが来ないかしら・・・」

「遠野何してんだ?出番じゃね―のか?」
「行きたくない・・・。このシリーズは出演すると何か物凄く良くない事が
絶対に起こる気がする・・・」
「そっか・・・じゃあ休め」
「ああ・・・」

何時まで待っても狼はやってきませんでしたが、おかげで森には平和が訪れたと言う事です。









続けて第二弾、童話シリーズ三発目。
すごいです。何がすごいかってこの二本同時にいただいたんです。おそらくこれは一日で書きあげられたかと。
どうもありがとうございました。








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