生徒会長選





  この時期、進学校である志貴の高校は結構な喧騒に包まれる。

 というのも、生徒会長選があるからだ。

 生徒会長など、普通に学生生活を謳歌する乾有彦のような生徒にとっては敬遠こそすれ、

  自ら立候補してなろうとするものではない。

 では、何故なるのかといえば、立候補する生徒の理由は大きく分けて二つ。

 一つは教師の信任厚く、

  なりゆき上いつもクラス委員長などやってしまう事になるような優等生タイプが、

 教師及び周囲に祭り上げられて結局立候補する羽目になるというパターン。

 もう一つは、進学校にありがちがだが、『推薦枠狙い』。

 これは成績がある程度――平均よりは上だが高すぎぬ――のレヴェルの生徒が、

 生徒会長という実績を以って推薦枠に入れてもらおうというものだ。

 前者は周囲からの人望があり、後者は実績を残す為に積極性がある。

 生徒の大半としてはどちらがなっても困らないので、あとは素直に選挙演説を聞いて決める。



 ――――それが、習慣だった――――はずだったのだが。





『生徒会長選』





「いやー、今年の立候補は綺麗どころばっかりでありがてぇぜ。
  演説を聞くという大義名分のもとに視姦し放題だな」

 親友とされているはずの男を張り飛ばすと遠野志貴はひどく疲れた表情をしていた。

 なんと、その綺麗どころである立候補者三名から三名共に是非副会長候補に、

 と勧誘されているのである。

 三名、――――そう三名!

 レンの機嫌を損ねた為見せられてる悪夢だったらどれだけマシか!

 起きて魔力を補給して昼食を抜いて金を浮かし、

  マタタビを与えてあげて一日中可愛がってやるというのに……

 現実逃避をしてみたが何も問題は解決しないので志貴は状況を整理する事にした。

 事の発端は、そう……



「実はですねー、私生徒会長に立候補する事にしたんですよ遠野君」

 シエルが三年であるにも関わらず(通常、生徒会長は二年だ)立候補した事だった。

 志貴の高校においては三年が会長になっても問題はない。

 ただ、受験勉強で忙しくなるので、二年が会長という進学校らしい不文律が完成しているのだ。

 それを敢えて破るとはシエル先輩らしくない、と志貴としは感じたが、すぐに理由は知れた。

 実は一年の候補者(これは後述する)とそれを支持する一派が、

 高校の近くにできた、評判の新しいパン屋を購買に入れようと画策しているというのだ。

 それは大いに全校生徒から支持されている。

 そのパン屋の個性溢れる創作パンの数々は多くの賞にも輝き、実際パン屋の前には

  毎朝人だかりができる程で、生徒にしてみればそれが購買に来てくれるならそれほど

 ありがたい事は無い。

 が、シエルとしてはこれに大反対であった。


 賢明なる読者諸氏はもうお気づきであろう。


 その店のパンの中には、カレーパンがないのだ。


「私が生徒会長になった暁には構造改革を行い福利厚生を充実させ、
  学食のメニューを全て一割引にしてご覧に入れますっ!!」



  これに真正面から対抗するのが一年の遠野秋葉である。

「当たり前でしょう、兄さん?
  私があんななんちゃって女子高生の下風に立てるわけありません」

 遠野秋葉の場合は上述した生徒会長になる2つのパターンの両方といえるかもしれない。

 周囲の人望も厚く、実力をもって示そうとする。

 ただ、彼女の場合権力をして高校を自分及び兄が過ごしやすい場にしようとする欲求、

 というのが一番の理由であったろう。

 シエルと真っ向からぶつかりあうパン屋の誘致も、

  そのパン屋の商品が彼女の嗜好にあったからであり、

 最終的には、浅上にあったようなカフェテリアを秋葉は作り上げるつもりであった。


「過ごしやすく、楽しめる、そして学生としての本分に打ち込める環境造りが私の提案です」



 さて、本来であれば毎年数人の候補が乱立して覇を競うはずの二年はめっきり大人しい。

 一年も三年も大物すぎる程に大物が立候補しているから誰もが二の足を踏んでいたのだ。

 担ぎ上げようとする教師やクラスメートも、

  あまりに話が大きくなってしまったので秋葉派かシエル派の二派しかなく、

 推薦枠の為に立候補したところで、あの二人のような公約は掲げられない以上勝ち目はない。

 HRでその議題があがっても誰も立候補しない中、例の馬鹿はこうのたまった。



「いるだろうが、我等が二年にもあの二人に対抗できる美少女が!」



「ええっ、私!?」

 弓塚さつきは明らかに前述の2つのパターン中、前者である。

 周囲から期待され、それを断りきれずに期待に乗ってしまう。

 とはいえ、今回は幾らなんでも無理だと思い、彼女は辞退しようとした。

 考えさせて欲しい、という月並みな答えを出して、後日断るつもりだった。

 しかし。

「お代官様、今ならバリューセットで副会長に遠野がついてきまーす」

 と放課後に悪魔が囁き、その誘いにのってしまったのである。


「えっと、私にできるだけの事はしたいと思いますっ。」



  どの陣営もすっぽり副会長のポストが抜けたまま、選挙は一週間後にまで迫った。



 しかしこの分水嶺において、弓塚さつき陣営選挙参謀を自認する某馬鹿は割と律儀だった。

「こなかったらこれまで貸した昼食代を一度に請求して、
  貸したエロ本の隠し場所もジャンルも詳細に秋葉ちゃんに報告しちまうぞー」

 手段はともかく朴念仁を職員室の手前まで連行してきたのである。

「わぁっ、遠野君本当にいいの!?」

「あ、あぁ、一度決めた以上は協力するよ、うん」

 とりあえず、遠野志貴はさつき陣営となった。

 だが、問題は山積みであることに変わりは無い。

 というのも。

「公約、どうしようか?」

 場所を2−C組の教室に移しての作戦会議はまず、志貴の心配そうな質問で幕を開けた。

 そう、シエルなら学食一割引(どうせカレー目当てだろうが)、

 秋葉なら購買に新しいパンに、カフェテリア建設。

 どう贔屓目に見てもさつきにそこまでの公約は難しい。

「なーに、弓塚は結構優勢だぞ?」

 などという楽観的な意見は当然有彦。

「見ろ、オッズはトップこそ秋葉ちゃんだが弓塚は二位だ。
  十分逆転の機会はある」

 有彦がひょいと取り出したのはトトカルチョのオッズであった。

 確かに秋葉が一位で1.5倍。 これは本命といえるだろう。

 実際新しいメニュー、それに浅上式のカフェとなれば女生徒のほとんどは賛成する。

 加えて秋葉は猫の毛皮の着こなしが巧いから男子票も十分な伸びが期待できる。

 二位に弓塚さつき。 3倍。 注意、というところか。

 二年票の半数は彼女に纏まりつつある。

 やはり如何な魅力的な案を引っさげられようと本来は二年から生徒会長を出す、というのが

 常識であるし意地というものだ。

 最後方にシエル。 6倍。 大穴だ。

 男性票が主で、一、二、三年から均等に支持されている。

 しかし、女性票は少なく、常識派からすれば「三年にもなって」という白眼視もあり

 オッズは自然高い。



「……って賭けにするなぁー!」

 志貴は明らかに胴元であろう有彦の首を〆る。

「なっ、なんでバレ……じゃなくて!
  俺も賭けててオッズ表貰ってきたって可能性はナシかよ!?」

「お前以外にこんなことする奴がいるかー!」

(いいなぁ、楽しそう……)

 少しばかり蚊帳の外に置かれたさつきは昔から目にしていた光景を羨望の眼差しで見つめた。

(ううん、これじゃ駄目)

 折角の機会だ、なるべく志貴と一緒にいたい。

 それは恋する少女相応の欲求だ。

 さつきは決心すると些かうわずった声で話し掛けた。

「あっ、あのね遠野君!」



 さつきは各休み時間ごとに各所で演説する事を提案した。

 公約は週休二日制の導入。

「ええっ、そんな事できるの?」

「うん、クラス委員やってた頃から議題には挙がってて……大体の草案はできてるの。
  ……去年の先輩方のおいしいとこ取りみたいでずるいけど……」

 昨年、つまりさつきが一年であった頃からそれを要求する声は多かった。

 志貴の通うこの高校は私立進学校である為、未だ週休二日制を導入していないのである。

 生徒会は導入する為の案をほぼ纏めており、平日の授業時間の延長や自習室の休日開放等、

 具体レベルまで完成されている。

 結局、導入は翌年以降、という事で旧生徒会メンバーは三年になり引退してしまた訳だが、

 あとは生徒投票で決めればいいだけの所まで来ているのだが、浅上から来た秋葉や、

「影の生徒会長」などと呼ばれながら実は単なる便利屋でしかないシエルは知る由もない。



「週休二日制の意義はいまさら私なんかが申し上げるまでもなく……」

 さつきは早速演説してまわりはじめた。

 勿論志貴を連れてで、これが大いに秋葉・シエルへの士気に響いた。 

  さつきとしてはそこまで計算した訳でもないが。



 そうして、いよいよ選挙前日となった。

「いよいよ明日だな」

 有彦も珍しく緊張した表情である。

 2−C有志による弓塚さつき後援会は放課後教室に残って最後の作戦会議である。

「明日の最終演説で最も票を伸ばすのは秋葉か弓塚さんだろうな」

 これも真剣な表情で志貴が呟く。 さつきがその横顔に見惚れているのはこの際置く。

 選挙当日は、六限が最終演説となり、七限の各HRで投票となる。

 最も影響があるのがこの六限の最終演説であり、

 これまで各候補の演説に耳も貸さなかった者や、選挙自体に気付かなかった者まで、

 有権者である生徒全員がホールに整列し演説を聞く上、直後に投票である。

 各候補としても最も力の入れ所である訳だが……

「ここで一つ奇策を取るのはどうだろう?」

 ふと提案したのは同じく2−Cに所属する、

  弓塚陣営で次期生徒会書記が予定されている黒川五郎である。

 黒川は東大医学部に進学が期待されている程の俊英で、人望もあり、

  まともな生徒会選挙であれば彼が会長になったと目される人材であった。

「奇策?」

「遠野秋葉を降ろすんだ。 そして副会長に迎える」

「ええっ!?」

 さつき本人としては大反対したい所である。

 そもそも志貴と多くの時間が取れるから会長に立候補したのでそれでは話が違う。

「おいおい、黒川、そりゃ無茶だろ」

「いや、彼女の公約をも取り込んでしまえば圧勝は間違いない。
  それに遠野は書記にしておけばいい、僕は会計に回ろう」

 確かに会計はまだ未定であったが、

  まさかそれをこうした形で埋めるなどとは誰も考えなかった。

「そうじゃなくて、方法だよ、どうやってあの秋葉ちゃんを……あ」

「そう、遠野を副会長に欲しがってたぐらいだから兄貴から説得されれば
  彼女の考えも変わると思うけど」

 さつきはホッと溜息をついた。 それならまだ妥協できる。

「いや、でも秋葉は気が強いから俺じゃ説得は……」

「なら説得は僕が引き受けよう」

 学食が売り切れなら購買のパンで済まそう、と言うのと同じ口調で黒川は言った。

「遠野は最終演説の草稿を弓塚さんと練っておいてくれ」

 彼は悠々と図書準備室へと向かっていった。



 黒川五郎は図書準備室にある内線を取ると秋葉の教室の番号をプッシュした。

 内線は原則として生徒使用禁止であるが、

  秋葉の陣営にわざわざ出かけていくほど彼は愚かではない。

 そんな事をしたら間違いなく取り巻きに邪魔され一対一の話し合いなど不可能だ。

 数回のコールの後、ガチャリと音がした。

「はい、1−Aです」

「図書準備室です。 遠野秋葉さんはおいでですか?」

 無論、選挙の事で2−Cの黒川五郎が秋葉に話があるなどとは言わない。

 訝しげに思われて代わってもらえないに決まっている。

「はい、遠野ですが」

「遠野秋葉さん?」

「はい」

「実は貴女のお兄さんの事で大事な話があります。
  周囲に気取られないよう話を聞いていただきたい」

「……貴方は?」

 すっ、と声が冷たくなる。

 なるほど、これが遠野家当主の声か、と薄く笑う。

「遠野君の同級生で黒川といいます。」

「あぁ、書記候補の」

「ええ、実は弓塚さん、彼女は貴女のお兄さんに並々ならぬ好意を寄せているようでして」

「!?」

 電話の向こうで息を飲む音が聞こえた。

 秋葉らしからぬミスだが、それだけ志貴が大事なのだろう。

「老婆心ながら、忠告です。
  このまま選挙を行えばおそらく弓塚陣営か貴女の陣営、どちらかの勝ちでしょう。
  ただ、弓塚が勝った場合貴女のお兄さんが彼女につきっきりになる可能性は、
  非常に高い」

「――――それで、何故私が降りるとお考えに?」

「他の女に取られていいような兄ならわざわざ心配で浅上からいらしたりはしないでしょう」

「――わかりました。
  黒川さんでしたね、覚えておきます。
『今後生徒会で何度も顔をあわせるでしょうからよろしく』」


  ツーという内線の断線音が心地よく流れた。


  この時間、だれもいない、図書準備室に。



「なんですってぇぇぇぇ!?」

 シエルは咆哮した。

 選挙戦当日、本命と言われていた遠野秋葉が降りた。

 それだけならまだしも弓塚陣営に入り副会長として、公約も推し進めるという。

 はっきり言って最悪である。

  このままでは本気で学食と購買がなくなりファッショナブルなカフェテリアが誕生する。

 そしてカレーは絶滅し、


  彼女は衰弱死するであろう。


「くっ、こうなれば……」

 今回、シエルはほとんど暗示を使わなかった。

 暗示など志貴はともかく、遠野家という古き異種の血が入っている秋葉には

  すぐに看破されてしまう事請け合いである。

 だが、そのリミッタ―を外す時が来たようだった。

 無論、一人一人生徒に暗示をかけていたのでは時間もかかりすぎるし秋葉にバレる恐れも強い。

 しかし、こんな手はどうか?



  その日の五限は体育だった。

 志貴は妙に女子の方が気になった。 おかしい。

「あん? 弓塚のブルマ姿の視姦ですかー先生―?」

 有彦っぽい物体を裏拳で吹き飛ばす。

 無意識に七夜の技を使ってしまったのか、着地してからピクリとも動かない。

「おかしいな……」

 志貴が気にしているのは勿論絶滅寸前種であるブルマではない。

 気にならないと言えば嘘になるが、ブルマではないのだ。

 次の時間は最終演説。 ホールに集合せねばならない以上、

  女子の授業もそろそろ片付けをせねばならない時間帯のはずである。

 事実、男子は既に片付けに入っている。

 しかし女子はもうすぐチャイムが鳴るだろうという現在、バドミントンのプレイ中である。

 さつきはかなりの活躍ぶりで、時間を気にせず試合に集中している。

 確かにその姿は眩しいものがあるがそれ以上にブルマ姿である為、注視するのは難しい。

『キーンコーン……』

 チャイムが鳴ってしまった。

「妙だな」

 黒川五郎が呟いた。

「黒川もそう思うか」

 とはいえ、弓塚の制服を取ってくるなど男である志貴、有彦(@気絶中)、黒川には不可能だ。

「遠野、妹さんは?」

「ムリだな……教室が女子更衣室から遠すぎる」

 間に合わなくなるかも知れない。

 これは拙い。

 過去、最終演説に遅刻した候補者などいない。

 いないが、遅刻するとどうなるかなど予想がつく。

 強制的に待機させられている生徒はいらつき、悪印象を持ち、その候補は負ける。

 シオンでなくとも『わかりきった結末』である。

「ともかく、遠野は弓塚を連れて急げ。
 僕は女子の方の体育教師に事情を言っておく」

  志貴は聞き終わるやいなやさつきの手を取って走り出した。

 これもまた無意識だったのだがさつきが幸せに浸ったのは言うまでもない。



  六限の始まりと共に軽めの教頭の説明があり、最初に弓塚さつきの演説である。

 このまま女子更衣室に向かって着替えて、間に合うのは難しい。

「大丈夫……教卓があるから下、見えないし……」

 囁くように言ったさつきの言葉を、思わず志貴は聞き返した。

「……え?」



 どよどよと騒めく会場。

 弓塚さつきが大急ぎで現れると、その騒めきは男子の歓呼の声にとってかわられた。

 体操着のまま、彼女が来た為である。

「すみません、遅くなりましたー!」





「あとはもう、彼女の演説が必要だったのか心より疑問である。
 男子生徒の数は、女子より多いのだから」(黒川五郎の日記より抜粋)





 シエルが演説する頃にはほとんどの生徒がさつきに決めてしまっていたので、

 すこぶる反応がよくなかった事を最後に付け加えておく。

 古人曰く、『人を呪わば穴二つ。』

 さつきの圧勝であった。




「考えてみれば、遅刻しても勝てたのかもな」

「え?」

 2−Cでは戦勝祝賀会が秋葉の奢りで開かれた。

 ジュースと菓子で一杯になったテーブルを囲んで、ふと黒川は志貴に言った。

「圧勝だった。 それは妹さんが既に女性票を固めてたからだし、弓塚の公約が支持されたからでもある。
 だから、ああまで焦らなくてもよかったのかも知れん」

 コク、とジュースを飲み干す。

「だから、焦らせた僕が悪かったのかもしれないな。
 弓塚のあの焦りぶりを見ていると申し訳ないことをしたような気がする」

 先程、もうあんな事はしないから羞恥心のない女だと思わないで欲しい、

 と志貴に訴えていた弓塚を思い起こして、黒川もそれなりに罪悪感を感じたらしい。

 無論志貴はそんな風には全く思っていなかったし、そんな事で黒川を怨むようなタイプでもない。

「らしくないな、ほら!」

 黒川の背を押して、志貴と有彦は再び宴会の喧騒の中に飛び込んでいった。







「それでは、新年度第一回生徒会をはじめます!」

 さつきが宣言すると活発な意見が交換される。

 副会長に秋葉、書記に志貴。

 志貴としては副会長より書記でありがたかったし、

 秋葉を会計の黒川が牽制してくれるのが何より助かった。

 ひょっとすると彼はそこまで考えていたのだろうか。

 有彦がさりげなくもう一人の書記としていたりしてこの生徒会は個性に富んでいる。



 生徒会が終了後、屋上で黒川と有彦は二次会と言わんばかりにジュースで祝杯を挙げていた。

「いやー、世話ンなったな。 ま、これで弓塚も落ち着くトコに落ち着くだろ」

「だといいんだがな」

 黒川は軽く校庭に視線を落とした。

 ふ、と笑うとくるりと踵を返す。

「どうした?」

「帰る。
  野暮は嫌いだ」

 ひょい、と彼が指で示した先に二人で帰る志貴とさつきがいた。

 おそらく、黒川は秋葉を押さえにいくのだろう。

「待て待て、俺もつきあうぜ!」

「君は廃品回収でもしてろ」

 苦笑と共に、屋上の二人も共に歩き出した。







注釈
 誇大公約
 生徒会長選にしてはこれらの公約は規模が大きい。
 当たり前だがシエルはカレーを安くする為に一割引を謳ったがこれは別予算を大減額させるだろうし、
 さつきの週休二日制導入は放っておいても近年に導入されたであろう件を公にして早めただけだ。
 自費でカフェテリアを建造(つまりそれごと学校に寄付)する秋葉が一番まともな方法をとっているはずだが、
 一番まともに見えないのは何故だろう。

 人を呪わば
 体育教師に弓塚を遅刻させるべく授業を遅く終わらせるように暗示をかけたシエル。
 ブルマ姿で来たさっちんに圧敗。

 廃品回収
 シエルいぢめはいいなぁ

 黒川五郎
 切れ者・汚れ役であるので某大作の主人公友情出演(謎
 わかった方は黙認してください。
 こういう悪戯好きなんです…



後書
 ペースケ氏のHPの常連さんにははじめましての方の方が多いでしょうか?
 EIJI・Sといいます。
 この度はペースケ氏より「さっちんにブルマ装備で萌え」なSSというリクをいただきまして
 このような形となりました。
 …でも政治的なのがEIJIちっくらしいです(検分してくださったSS作家の皆様曰く)
 こういった作風ですがお楽しみいただければ幸いです。
 それでは、ごきげんよう。









EIJIさんに敬礼。
孤島の花とスクロールバーの大きさ的には同じなのに空白の量が全然違うため密度には雲泥の差があります。
しかもこの長さを飽きさせないんだこのお方は。
……ん?それとも俺に文才がないだけか?

…………今の発言はなかったことに。


ちなみに俺の尊厳のために言わせていただくと、「さっちんにブルマ装備で萌え」を言い出したのはEIJIさんです。



いや、その発言にノリにノッたのは俺ですが。








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