桜日記
桜日記 | |
【04:50】 | 起床。 ベットから出て着替えを済ますと、ベットの上からゴソゴソと音が聞こえてく る。 寝ている間に漏れた蟲のうごめく音だった。殺虫剤で処理。もう慣れた。 |
【04:55】 | 顔を洗い、歯磨きをしてから毎朝の日課、朝のウェイトチェック。50の大台
に…。 これは私の中の蟲の重さが入ってるからだ。そうに違いない。 |
【05:05】 | 最近、自宅療養に移った 兄さんは、まだ学校を休んでいる。 作りおきしてある特製蟲入りパンを出しておく。もう残り少ない。また作って おかなければ。 これを食わせているうちは兄さんの傷が直る事は無いだろう。 朝食は私以外が用意する事は無い。つまり未来永劫治癒しない。…クス。 |
【05:25】 | 兄さんが起きてくる前に、先輩の家へ出発。 一度顔を合わせると、何かと引きとめようとしてくるからだ。 朝食を1人で食べるのが寂しいのだろうか?うっとうしい事この上ない。 |
【05:45】 | 衛宮邸に到着。 何時ものように合鍵を使い先輩の部屋へ直行。 布団の中に先輩は居ない。代わりに大食いらいおんが居やがった。 気持ち強めに下腹部に蹴りを入れる。「げぺっ」なんて蛙が潰された ような声をあげるが起きない。 所詮は食事の時以外は常に寝ているようなヤツだ。問題は無い。先輩は土蔵だ ろうか。 |
【05:47】 | 土蔵に入る。 案の定、先輩が作業着を着て寝ていた。その安らかな寝顔に激しく萌える。 ふと、視線を移すと先輩の体の一部分が元気になっていた。 本性を知られるわけにはいかない。 |
【05:50】 | キッチンに入って朝食とお弁当の準備。 朝食は基本的に和食。和食で蟲を仕込んでもバレ難いのは粉末状にしたフリカ ケだが、 先輩も食べるのでやる訳にはいかない。らいおんの昼食にでも仕込んでおこ う。 もっとも、らいおんも虎も食事に蟲を仕込んでどうにかなる相手じゃない。 単なる嫌がらせだ。…クス |
【05:55】 | 先輩がキッチンに入ってくる。 一日で、もっとも至福の一時。鼻歌を歌いながら鮭をおろす先輩に激しく萌え る。 あんまりに萌え過ぎて、切り身の1つを片面黒コゲにしてしまった。 普通に焼けた側を表にして、虎に出す事にしよう。食えれば何でもいいヤツ だ。 らいおんは大食いの癖に味にもうるさい。うっとうしい事この上ない。 |
【06:05】 | 焼き魚の匂いに釣られたのか、らいおん起床。 らいおんが先輩に「シロウ、下腹部が痛い。妊娠したようです。」と訴える。 先輩激しく狼狽する。……なぜそんなに狼狽してるんですか? 今度からは、下腹部ではなく頭を蹴り飛ばす事にしよう。 |
【06:07】 | 虎襲来。 毎朝の事だがクスリでもキメてるかの様な騒がしさでやってくる。 居間に入ってきての第一声が「士郎ー!朝ごはーん!」 先輩も心底呆れ顔。虎の処理の優先順位は下げても良さそうだ。 |
【06:20】 | 朝食開始。 食事中は静かだ。らいおんと虎は、一心不乱にドンブリ飯を掻っ込んでいる。 私は、先輩が作った豆腐と玉ねぎとジャガイモの味噌汁をゆっくり味わう。 味噌汁の味変えましたか?と尋ねると、先輩は嬉しそうに頷いてくれた。 ……先輩ポイント+1。クス |
【06:35】 | 朝食終了。後片付け。 虎は食ったら自分の分の弁当を持ってとっとと一人学校へ行った。 片付けを手伝わないのはいつもの事だ。 らいおんはテーブルに突っ伏して寝ている。これもいつもの事。 先輩は「今日は遠坂来なかったなー。」なんて残念そうにいっている。 ……バカ姉やはり油断ならない。 昨日のうちに、遠坂邸に蟲を放っておいて正解だった。 今ごろ害虫処理に大わらわだろう。…クス |
【06:45】 | 学校へ出発。 出かけに先輩が、テーブルに突っ伏したままのらいおんに声をかける。 全世界探しても存在しないような言語で返事が返ってくる。強いて言うなら、 らいおん語。 発音が特殊すぎて文字で表す事が出来ない。 先輩曰く「いってらっしゃいって言ってるみたいだ。」らしい。 |
【07:05】 | 学校へ到着。 通学中はあまり先輩と会話をする事は無い。 でも先輩。私、気付いてるんですよ?私の体の特定部分に目線が行っている 事。 まぁ、姉さんやらいおんには無いものですから、その気持ちは良く分かりま す。…クス |
【07:08】 | 弓道場に到着。 今日は珍しく、先輩も弓道場に来てくれた。 奥に入ると、主将が既に着替え終わって虎とお茶を飲んでいた。 「お、衛宮連れてきたのか。桜よくやった!」、「士郎来たんだー。」なんて 言われた。 先輩はお前らの為に来たんじゃない。 |
【07:15】 | 練習開始。 先輩に練習を見てもらおうと思っていたが、虎がまとわり憑いている。 虎、ウゼェ。と小さく呟いたら、傍にいた主将に聞かれたらしい。 思い切り引いていた。先輩にバラしてら、ワカッテマスヨネ?釘を刺してお く。 |
【08:15】 | 練習終了。 30分後には予鈴がなる。手早く着替えてしまおう。 主将が先輩に再入部を持ちかけている。 主将の先輩を見る眼差しが熱っぽい。コイツもか。 |
【08:23】 | 勇気を出して先輩に昼食をご一緒しませんか?と提案。 「ごめんな。今日は一成と約束があるから。」と返事が返ってくる。 ……処理リストに男が入るとは思わなかった。クス |
【08:27】 | あのメガネをどう処理するか考えを巡らせていたら、先輩は先に行ってしまっ
たようだ。 大和撫子が予鈴ギリギリで教室に駆け込むのははしたない。私も教室に向かお う。 |
【08:30】 | 弓道場を出たら姉さんが待ち構えていた。 問答無用で拉致され、弓道場裏の雑木林に連れ込まれる。しこたま殴られた。 流石にバレたか。 |
【08:44】 | 思わぬハプニングで予鈴ギリギリになってしまった。 バカ姉、いつか殺る。 |
【10:20】 | 授業そっちのけでバカ姉に対する復讐計画を練る。 真正面からやり合っても勝てる見込みは無い。 かといって、一度に大量の蟲を放出すると一発でバレる。 今度はバレないように、黒い家庭内害虫をツガイで姉さんの部屋に放つ事にし よう。 五組ほど放ってやれば、二週間後には爆発的に増えている事だろう。 今後の方針はこれで決定。…クス |
【11:45】 | 昼休み。 まっすぐ弓道場へ行く。あそこはお茶がタダで飲めるので良い。 既に虎と主将が居て、お茶をいれていた。 先輩は今ごろ、私が盛り付けた愛妻弁当を食べている頃だろう。 今日、弓道場に来てくれていたら、虎と主将に対する牽制になったのに。残念 だ。 |
【12:45】 | 午後の授業開始。 授業なんぞ無視。先輩の隠し撮り入浴写真を見て過ごす。 激萌え。 |
【16:00】 | 弓道場で放課後練習開始。 先輩はもう帰ってしまったようだ。教室に行ったが既に居なかった。アルバイ トらしい。 兄さんの世話をするため間桐邸に帰らないといけないので、今日はもう先輩に 会えない。 「また、明日。」の挨拶くらいはしたかった。……残念。 |
【18:20】 | 部活終了間際、虎に兄さんの容態について聞かれる。 生かさず殺さずで飼ってます。とは言えないので当り障りの無い返事を返して おく。 まぁ将来、学校に来る事があったとしても、五体満足じゃないでしょうけ ど。……クス |
【19:10】 | 間桐邸に帰宅。 兄さんは部屋に居るようだ。出迎えられるのも、うっとうしいので助かる。 さっさと着替えて夕食の準備をしよう。 |
【19:25】 | 夕食の準備をしていると兄さんが居間にやってくる。 「朝食と昼食の準備をしておいてくれてありがとう。」などと言ってくる。 適当に当り障りの無い返事をして会話をしていると、例の蟲入りパンの話に なった。 「あのパンに入ってる黒い粒みたいなのは何だい?ドライフルーツなのか?」 ドライフルーツだと思っているのなら都合が良い。バカな兄で助かる。 |
【20:00】 | 夕食も終わり兄さんは入浴をしにいったようだ。 今のうちに蟲入りパンを作ってしまおう。 それにしても、兄さんは満足しているようだが、毎日同じでは私がつまらな い。 今度ためしにクスリでも入れてみようか。 中毒にさせて私に跪かせてみるのも面白い。どんなクスリがいいか調べてみよ う。…クス |
【21:00】 | 午前中に考えついた、バカ姉復讐計画を実行に移そうと思ったが、 蟲入りパンを作っていたら、遅くなってしまった。 姉さんは既に遠坂邸に帰っているだろうし、今日は諦めよう。 …バカ姉のことを思い出したら、先輩の事が頭をよぎった。 胸が切ない。バカ姉に喰われてないか心配でしかたがない。 明日の朝にそれとなく聞いてみよう。 |
【22:00】 | 入浴を済ませ就寝。 明日も先輩をゲットするためにガンバロウ。 |
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あとがき
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読了ありがとうございます。
皆様、はじめまして。浅葱祐吏と申します。
私、実はSS初挑戦でして、何事もまずはマネっこから。ということで、
ペースケ様の琥珀日記をパクって桜でやってみたらどうよ?
と思い、この桜日記を書き上げました。
「書き上げました」なんてサラっと言ってますが、こんな拙いSSでも書き上げるのに
半日かかっているんですから、文章を書くというのは難しいものです。
(コレが文章と言えるかどうかは、アヤシイ所ですが…)
機会がありましたら、またお目にかかることもあるかもしれません。
その時が来ましたら、また目を通してやってくださいませ。
浅葱祐吏さんありがとうございました。
これが初めてとのことですが……たいしたものです。
ドス黒さが心地いいです。
いつか俺も書こうかな……
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