密親









「志貴ー!今度の日曜日あそぼー!」
「ど、どうしたんだよ急に?」
「むー。いいじゃない、遊んでくれても。この前はシエルと遊んでたじゃない」
「バ・・・・あれは勉強教えてもらってたんだよ!」
「どっちでもいいの!いいから、この前はシエルだったんだから今度はわたしの番でしょ?」
「むぅ・・・・・・・・」


 一応筋が通ってないと言えなくもない。それにテストも終わって時間を持て余してたところだし・・・・


「よし、いいぞ。じゃあ日曜の10時に公園。それでいいか?」
「ええー。早いよー」
「バカ。お前の時間に合わせてたら遊ぶ時間なくなるだろ」
「うーん・・・」
「ほら、な。決まり。じゃあ10時に公園で待ってるからな」
「・・・・・・うん、じゃあそれでいいや。そのかわり、一日付き合ってね」
「はいはい」




 そうして日曜日にアルクェイドとのデートが決まった。
 でも、なにか忘れてるような・・・・・・?










密親





「あ、来た来た。おーい、志貴ー!もー、遅いよー!」
「お、おまえいつから来てたんだ・・・」
「えーっと・・・3時間くらい前かな?」
「・・・・・・俺何時に公園って言ったっけ?」
「んーと。10時」
「で、今何時だ?」
「10時だよ?」
「おまえ7時に来てたのか!」
「え・・・?うん・・・だって、早く志貴に会いたいなー、て思ったから・・・・」


 ちょっと拗ねたようなにこっちを見てくるアルクェイド。
 なんでこいつはこう意識外でこういうかわいい仕草を・・・・


「・・・・・うん。じゃあもうちょっと早く待ち合わせてればよかったな」
「うん。でも志貴と遊べるから別にこの時間でもいいや」
「そうか。じゃあ少しでも長く遊べるように早いとこ出発しないとな」
「・・・・・・うん!」





 そんなこんなで俺達は公園を後にした。




 で、定番というかなんというか、まずは映画を見に行った。
 見た映画はアイドルグループの一人が主演を勤めるもので死んだ人間がこの世に生き返ってくるというものだ。


 で、俺はというと



「・・・・・・・これって死者なの?ううん、知能を持ってるから違うわね・・・・第一、死徒がいないみたいだし・・・・・」
 とか

「ええ!?この女の人も!?」
 とか

「うえ・・・・!ひっく!グス・・・・・・!せっかく、せっかく生き返ったのに・・・!」
 とか過剰に反応するアルクェイドが気になって映画の中身どころじゃなかった。
 一回ホラーでも見せてみたいものだ。
 多分男が女の子に期待する通りの反応をしてくれるに違いない。





 そのあとはまあブラブラして服を見たり、昼食をとったりと、それなりに定番のコースをまわって時間をつぶした。


 そして夕方。

「ふう・・・・じゃあそろそろ終わりにするか。楽しかったか?」
「うん!もうちょっと遊びたいけど・・・」
「ああ、屋敷から出れなくなるからな」
「うん。じゃあ、またね!」




 もっと駄々をこねると思ってたがアルクェイドは案外すんなりと引いてくれた。


 なんか裏があるのではあるまいな・・・

 そんな邪推をしながら家路へと着いた。










 その日の夜。
「はぁ・・・・疲れた・・・」

 夕食を済ませ、部屋にもどって一人ごちた。

 アルクェイドとのデートは楽しいが体力を使う。
 今日はもう寝ようかなと思ったそのとき━━━━




 ガチャ。
「やっほー志貴ー」
「お、おまえ何しに来たんだ!」
「何、って・・・またね、ってさっき言ったじゃない。家に帰らないと志貴が怒られるから志貴の部屋に遊びに来たの」
「来たの、てな・・・・」
「それに。一日付き合ってくれるって約束でしょ?」
「う・・・・・・」
 そんな約束・・・・・・・したような気もする・・・・・
「まさか、忘れてないよね?」
「そ、そんなことあるわけ無いじゃないか」
「・・・・・・ならいいんだけど」
「で、何するんだ?」
「えーっとね・・・・・・・・」
「なんだよ、何も無いのに来たのか?」
「んーとね・・・・すごく言いにくいんだけど・・・・」
「へ〜、お前にも言いにくい事があったんだ」
「な、なによぅ!わたしにだって言いにくい事の一つや二つくらいあるわよ!」
「ははは。それもそうだよな。でも言いたいことは言わないとわからないぞ?」
「う、うん・・・・・・そうなんだけど・・・・」
「ほら。スパッと言っちゃえよ」
「・・・・・・・」
「なんだって?」
「その、だから・・・・・・・・・・
「なんだよ、もっと大きいこえで言わないとわからないぞ?」
「あ、あのね?・・・・・・その・・・・・・・・・・・・しよ?」
「・・・・・・・・・!」




 ガツンときた。ガツンと来た、が━━━━




「い、いや。いくらなんでもそんないきなり・・・・・」
「志貴は・・・・・・・・わたしとじゃイヤなのかな・・・?」
「いや。違う!いやじゃないんだけど・・・・その・・・・・・・」
「? どういうこと?」
「いや、そのだな・・・えーっと━━━━」
「もう、志貴はイヤじゃないんでしょ?じゃあいいんだよね」
「ちょっと待てアルクェイド・・・・!」

 俺の制止の声を聞くことなく覆いかぶさってくるアルクェイド。



パリーン・・・・!



 そして俺達はそのまま窓が割れる音を聞きながら二人の世界へ・・・・・・・・・









 窓の割れる音?







 なんだかいやな予感がするなか、ゆっくりと窓のほうに首を回すと・・・・・・


「せ、先輩・・・・・・・・・・」

 巡回体制の先輩がいた。サービスデーなのか持ってる黒鍵の本数も心なしか2割増しだ。


「遠野君・・・・何をやってるんですか?」
「いや、先輩・・・・これは、その・・・・・」
「何よー、シエル。今日はわたしが志貴と一日一緒にいる約束をしたんだから早いところ巡回にでも行きなさいよー」
「! ・・・・・・・・・・ホントですか遠野君?」
「え?」
「今日はたしかわたしとデートする約束だったと思うのですが・・・・・」
「あ」

 忘れていた。アルクェイドと約束した時に引っかかっていた事。
 今日はテスト勉強を見てもらったお礼に先輩に付き合ってもらう約束だったんだ。


「・・・・・・・・・・・・・『あ』?」
「いや、その、決して忘れていたというわけじゃ・・・・」
「やーいやーい。シエル忘れられてるんだー♪」
「ああもう!お前少し黙ってろ!」
「・・・・・・・・殺します」
「せ、先輩!ちょっと待って!早まらないで!」
「ふふ・・・ふふふふふ・・・・・・・約束をすっかり忘れてた遠野君もあわせて少しお仕置きが必要ですね・・・・・」
「えーー!?」
「ふん、返り討ちにしてあげるわよ」
「お前もやる気か!?」

「二度と遠野君に近づけないようにしてあげます!」
「あなたこそ、二度とカレーが食べられない体にしてあげるわ!」
「ふ、二人ともちょっと待てー!」








 その後あたりに(主に俺に)甚大な被害を出した二人は一ヶ月遠野家に近寄る事を固く禁じられた。











さて、リンク先間違っちゃた記念リクでしたが。

っていうかリンク先ミスった記念リクて。

まあ、ミスったのは俺ですし。
でも、ロマンティックって言う事だったんですが。
一つはっきりしました。




無理。



なんかもう最近なに書いてもほのぼのになります。
ではまた。







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