今日が転校初日。なんだか不安と期待の比率が著しくかたよってるけども、それもいたし方ないような気がする。







あんどっち、悪夢の初日(前編)








 美樹の先導で職員室へと入る。今日入学するのは俺なのに美樹と来るとなんだか付き添いできてる気分になる。

「ひびやんいますかー!?」
「またあだ名かよ!」

 でけえって! 声でけえって! しかもすぐ目の前にいるし!

「おー、美樹ちゃん久しぶり。どうした?」

 日比谷さんは日比谷さんで普通に流してるし……

「今日からあんどっちの学校なんです」
「え……? あ、ああ! もちろん覚えてるよ、うん」
「……嘘ですね?」
「イヤだな安藤君。そんなことないってば」

 言いながら冷や汗ガンガンかいてるんですけど。この人、多分嘘とかつけないんだろうな。

「そうか、何か忘れてるような気がしてたんだけど、そういうことか……」
「自分でばらしてますよ」

 自分だけに聞こえるように言っているつもりなのだろうが、普通に聞こえている。とりあえず、この人も美樹同様裏表のない人なんだなと多少強引に好意的な方向に解釈することにした。

「じゃ、行こうか。というわけで、お先に失礼します秋山先生」
「はい。がんばってくださいね、日比谷先生」

 日比谷さんは隣にいる初老の落ちついた感じの男性に声をかけると立ち上がる。

「君達の、というか安藤君のクラスは1−3だよ」

 そしてそのままスタスタと歩き出し、美樹もそれについていく。

「あ、あの……?」
「ん? どうかしたの安藤君?」

 いや、どうかしたっていうか……

「担任の先生とかは……?」

 普通こういうときは担任の先生が一緒に行くものではないだろうか。

「あ、それボクだから」
「なるほど」

 それならうなずける。担任ならそりゃいっしょに行くよな。……待て。いきなり不安が当たってる予感がするぞ。

「ははは。大丈夫だって。ボクに全部任せてよ」
「はぁ……」

 不安が表情に表れていたのだろう、日比谷さんはフォローを入れてくれた。
 でも、それが一番怖いんです、とはさすがにいえなかった。


「あの、日比谷……先生?」
「ん? あぁ、別に呼びやすいように呼んでいいよ」

 沈黙に耐えられなくなった、というわけではなかったけど、なんとなく教室に着くまでのヒマをもてあましていたので日比谷さんに話しかけてみた。
 教室の位置がわかってるのだろう美樹は鼻歌交じりに俺たちの少し先を歩いている。

「じゃあ……日比谷さんで……っていくらなんでもひびやんはさすがにアレじゃないですか?」
「あぁ、いいんだよ美樹ちゃんは。それよりもね、安藤君。一つだけ忠告しておくけど」
「はい?」

 日比谷さんは急に真面目な顔をしてこちらに向き直った。

「美樹ちゃんがあだ名で呼ばない時は気をつけなさい。いや、逃げた方がいい。これが今のボクに言える最大の忠告だ」
「……はぁ」

 滅多に、というか初めて見る真面目な顔だったので笑って流せなかった。何かあったのだろうか?





「じゃあ、ちょっとここで待ってて」
「はい」

 ドアの前に俺と美樹を残し、日比谷さんは教室の中へと消えていった。

「……なぁ」
「ん?」

 特にやることもなかったので美樹に話しかけてみた。

「美樹と日比谷さん、知り合いなのか?」
「そうだね。わたしがここに通ってたころの担任がひびやんだったから」
「そうなのか?」
「うん、だから恩師ってことになるね」
「おまえ、恩師をあだ名で呼んでるのか……」
「親愛の情だよー」

 何がうれしいのか、美樹は幸せそうな笑顔を浮かべている。

「俺が知ってる限りまだあだ名で呼ばれてないやつが思い当たらないけどな」
「う〜ん、藤林さんくらいかなー。わたしがあだ名で呼んでないの」
「嫌いなのか?」
「ううん。でも特に思いつかなかったから。わたし、みんなのこと好きだよ。もちろん、あんどっちもね?」
「……22にもなってそういうこと臆面もなくいうかおまえは……」
「あんどっち、さっきからまたおまえって言ってる。ダメだって言ったでしょ」
「う……そういやそうだったな。まぁ、努力はするからそれでも出た分は勘弁してくれないか?」
「……ちょっとだけだからね」

 頬を膨らませながらしぶしぶといった感じでうなずく美樹。今更だが、美樹の一挙手一投足を見てるとほんとに22かどうか疑わしくなってくる。

「今日の晩飯、どうしようか……」

 話すことが無くなったので無難な話題を振ってみた。

「そうだね……じゃあ、今日はあんどっちに作ってもらおうかな」
「ん……別に構わないけど、そんなに大したものは作れないぞ?」
「一通りできるって言ったじゃない」
「あれは……言葉のあやってやつだ」
「じゃあ何が作れるの?」
「そうだな……」

「さて、今日はひとつ大ニュースがある!」
『おぉぉぉぉぉぉぉ!!』
「な、なんだ!?」

 自分の作れる料理を考え始めたとき、教室の中から大きな声が聞こえてきた。
 しかも、驚くべきことに第一声は日比谷さんの声だ。ってことは、あとから聞こえてきた何種類もの雄たけびはクラスメイトのものか? 頭痛くなってきた……

「しかも、男だ!!」

 これも定例だ。「女じゃないのかよー」っていう男子の残念な声があが……

『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
「見境無しか!?」

 男の声もきっちり混じってるぞ!?

「あはは、ひびやんらしいねー」

 なんでこいつはこんなユルユルしてられるんだ……

「じゃあ安藤君です、どうぞー!」

 なんだこれ! なんだこの前フリ!? なんでこんな若手芸人のネタ見せみたいな紹介されてるんだ!?

「ほらほら、急いであんどっち!」

 後ろから美樹が急かしてくる。ちょっと前かがみになって拍手する体勢になってるように見えるのは気のせいか? うん、気のせいに違いない。

「い、いやだ! 俺は普通に入るぞ!」
「どうぞー!」

 日比谷さんは日比谷さんで猛烈に煽ってるし! いやだ! 帰りたい! 帰ってゆっくりスルメ食べたい!

 ドンッ。

「お……? はぶっ!」

 いい感じに現実逃避してると背中を強く押され(お……?)、ドアに特攻した(はぶっ!)。ぶつかった衝撃で引き戸になっているドアがはずれ、教室へとなだれ込む。

「い、いたた……」

 ぶつけた体をさすりながら顔を上げると、そこには静寂に包まれた教室があった。猛烈な気まずさに苛まれながら押された方向をゆっくりと振り返ると、美樹が満面の笑顔を浮かべていた。しかも中腰で手を前に出す芸人スタイルだ。

「は、ははは……」

 もういい。やってやる、やってやろうじゃないか。俺の生き様見せてやらぁ!

 颯爽と立ち上がり、中腰拍手という美樹と同じ構えをしてから拍手をしながら猛然と教室の中に走りこむ。すぐ後ろには美樹が楽しそうについてくる。

「「どうもー!!」」

 そして、教卓のすぐ横で止まり、右手を上げながら高らかと名前を叫ぶ。

「安藤です!」
「美樹です!」

 俺が名前を叫ぶとすぐさま美樹が左手を上げて自分の名前を叫ぶ。

「「二人合わせて!」」

 そうして一瞬美樹と顔を合わせた後、右手と右手、左手と左手でそれぞれハイタッチをし、最後にラリアットの要領で右腕同士を組んでからクラスメイトの方に顔を向ける。

「「ぽけっとてぃっしゅです!」」

 一瞬のアイコンタクトでまるで事前に打ち合わせをしていたかのような完璧なコンビネーションを決めてやった。も、もう俺お婿に行けねえ!

 そんな俺の思惑を知らず、教室は少しの間静寂を保った後、大歓声へと包まれる。

「うぉぉぉぉぉぉ!」
「いいぞー!」
「名前地味ー!!」
「最高ーー!!」

 さりげに失礼なことを言われてる気がするが、もはや頭の中に入ってこない。

「あぁぁぁぁ! やっちまったぁぁぁ!」

 頭の中で後悔の念が渦まく。一時のテンションに身を任せてしまったがために今後大きな十字架を背負うことになってしまった。

「あっはっはっはっは!」

 日比谷さんも教卓の後ろで爆笑している。元凶のくせに……

「あはは……あー笑った。安藤君、結構ノリがいいんだね」
「日比谷さんが煽りすぎるからですよ……」
「うん、まあなんにせよよかったよ。元気があるのはいいことだ」

 そう告げると日比谷さんはパンパンと手を叩いて場をまとめる。

「というわけで彼が鮮烈な登場をしてくれた転入生の安藤君だ。じゃあ、改めて自己紹介して」
「は、はい……」

 これだけやらかしといて今更自分の何を紹介しろというのか……

「あ、安藤隆です。よろしく……」
「名前地味ー!!」
「てぃっしゅー!!」

 誰ださっきから人の名前こき下ろしてくれてんのは。っていうか俺てぃっしゅ担当かよ。

「せんせー、その幼女はー?」

 クラスメイトの一人が至極真っ当な質問を投げかける。転入生は俺で、男で、一人なわけで美樹がいるのはおかしいのだが……

「進行のさまたげをしないように」

 日比谷さんはいつ手にしたのかものすごい勢いでチョークを投げた。銃弾みたいな回転をしてるように見えたのは気のせいか?
 哀れ額からぷしゅうぅ、なんてわかりやすい音と煙を出してノビている生徒を一切思いやることなく日比谷さんの話は続く。

「彼女は第2種天使見習いの矢田美樹君だ。最終試験ということで安藤君に付き添うという形でこのクラスに入ることになった。とか、そんな感じで。安藤君を質問責めにして今後脅しをかけていくなり美樹ちゃんを見て何かに目覚めるのもいいけど、二人とも業持ちなので死なない程度にするように。で、恭賀君は寝ないように」

 さっきから唯一一度も顔を上げてなかった生徒に弾丸チョークが突き刺さる。が、当てられた生徒はピクリともしない。……寝てるだけだよな? 別に逝ってしまったわけじゃないよな?

「じゃあ次は美樹君」
「はい。ただ今紹介に預かりました矢田美樹です。まだまだ至らない身でなにかとご迷惑をおかけすることもあるかと思いますがよろしくお願いしますね」

 美樹がまともな口調で喋ってる……なんだこのあふれ出す違和感は。

「席は……そうだね。質問攻めにあいやすいように真ん中にしようか。ごめん、真ん中の二人は動いてくれるかな?」

 なんですかその理由。真ん中でポカンとしてる二人の生徒が不憫でならない。




「どこから来たの?」
「下界だろ!」
「……漫才見せに来たんなら帰ってくれるか?」

 休み時間に入るなり女の子の二人組がやってきて何を聞かれるかと思えばいきなりこれだ。

「そんなこと言わないでくださいてぃっしゅさん」
「名前地味だ」
「お前らかひどいこと言ってたの!」
「え? それ私達じゃないですよ?」
「じゃあ他に言ったやつがいるのか……?」
「うそです。本当は私達です」

 いぇーい、と二人でハイタッチ。

 …………しばきてえ……

「……一つ聞いていいか?」
「ん? 噂の転校生から質問ですか?」
「姉さん大人気だ」
「それだ」
「それって?」
「おまえら、双子なのか?」

 そう。この二人、外見がかなり似ている、というか髪の色の濃さが若干違う他には相違点を見つけられなかった。150くらいか? あまり大きくない身長も同じだし、ポニーテールにしてある髪の毛まで同じだった。


「私がこっちのクローンだ」

 髪の色が薄い方が濃い方を指差す。

「……よくわからんが大変そうだな……」
「うそです。本当は双子です」
「「いぇーい」」
「おい、どっちだ! どっちから殴ればいいんだ!?」
「まあまあ、落ち着いてあんどっち」

 人事だと思ってこの幼女は……

「でも、見たとこ歳も同じだろ? 二人同時に死んだってことか?」
「はい。ここで問題です、私達はどうやって死んだでしょーか?」
「果てしなく重苦しい問題を底抜けに明るく出すのはやめろ」
「3択だ」
「無視かよ」

 どこまでも人をおちょくるつもりなのか?

「1ばーん。えーっと……列車事故。2番……心中で。3番、隕石につっこまれた」

 ……なんで3番だけやけにスムーズに選択肢が出てきたんだ……

 3番なのか? もしかして3番なのか? でももしこれで高らかに3番だと宣言しておいてもしはずしたらバカ丸出しだし、かといって他の答えを選んで3番だったとしても洞察力のないやつだなんていわれそうだし……待て、このおちゃらけた双子が心中なんてするか? いや、でも人はみかけによらないのは美樹で学習済みだし……
 しかし、1番だけやけに普通だな……まさかここまでひっぱといて普通の死に方だなんてことはないだろう……死に方なんて選べねえだろ! あぁもうダメだ! 脳内漫才始めてる! エマージェンシー、エマージェンシー!

「まだ決まりませんかー?」
「遅いぞ。あと名前地味だ」
「黙れ妹」

 ……しかし、言われてみれば何本気で悩んでるんだ俺は。こういうときは第一印象でスパッと決めるもんだ。

「3番だ!」
「……あんどっち?」

 あ、美樹が白い目でこっち見てる。

「で、でも見ろ! 微笑んでるぞ! 正解じゃないのか!?」

 あの笑顔は祝福の笑みだ。そうに違いない。

「……バカ?」
「あはは、まさか3番を選ぶとは……」
「ちくしょー!!」

 あぁ、俺が築きあげたクールなイメージがメキメキと音を立てて崩れていく……

「誰もそんなこと思ってないと思うよ?」
「てめえはどうやって人の心の中読んでんだ!」
「ちなみに正解は1番です」

 踏んだりけったりだちくしょう……

「……一ついいか?」
「どうかしました?」
「名前まだ聞いてないんだけど」
「言いましたよ?」
「あれ? ちょっと待った……なんだったか……」
「うそです。本当はまだ言ってません」
「「いぇーい」」
「美樹、一回でいいからこいつらの頭割ってくれるか?」
「そんな風にいったらダメだよあんどっち。一回割ったら戻らないんだから」

 昨日戯れに俺の頭を弾き飛ばそうとしたやつが寝言抜かしてやがる。っていうかなんか最後の一文がなんかどす黒かったけど、まさか、試したのか?

「……で、結局名前はなんなんだ?」
「私が姉の宮崎ほなみです。稲穂の「穂」に海に出てくる「波」で穂波ですよ。で、こっちが妹の」
「宮崎まなみだ。摩擦の「摩」に姉さんと同じ「波」で摩波」
「穂波に摩波ね……」

 ブラックリストにいれとこう。できればあんまり関わりたくない。

「ほーやんにまーやん……」

 後ろからなんだか嫌なあだ名みたいのが聞こえたような気がしたが一切聞かなかったことにしよう。
 っていうかまーやんはともかくほーやんはかなり無理がないか?




「……誰?」

 穂波、摩波姉妹の問題が一区切りしたちょうどそのとき、一人の男子生徒が目の前でひどいことを言ってくれた。よく見るとさっき寝てたやつだ。しかし、こうして近くで見るとでかいな……190くらいはあるんじゃないか?

「恭賀は寝てたからな。転入生だ。名前は安藤隆」
「ふーん……恭賀英喜。よろしく」
「あ? あぁ、よろしく」

 えらく淡白なやつだな……

「恭賀君はちょっと病気を患ってて睡眠時間が多く必要なんです」
「そうなのか?」
「……」

 恭賀は何もこたえない。あまり触れられたくないことだったか……?

「あの……まぁ、俺あんまりそういうの考えないようにするから……」
「うそです」
「またかてめえ!」
「「いぇーい」」
「単に眠いだけだから……」

 つまり、今の沈黙は穂波の嘘にあわせたものかどうか迷ってたってところか。

「ちなみに恭賀は休み時間以外の時間は全て眠っている」
「てめえ寝すぎだろ!」
「……眠い」
「人の話聞けや」
「もうすぐ休み時間終わりますからねー。ちなみに恭賀さんは昼休みも寝てますよ」
「本当か?」

 恭賀に直接聞いてことの真偽を確かめた。

「眠いから……」
「なんで私をスルーするんですか?」
「お前嘘つくからな。本人に聞いたほうが手っ取り早そうだったし」
「失礼なこといわれてます……」
「嘘はすぐにばらすのが姉さんのポリシーだ」
「そういうもんか……」
「そういうものです」

 まぁ、それなら少しはマシか……といっても麦茶とウーロン茶くらいの違いだけど。自分でいっといてなんだけど、なんだこの例え。

「ところで、この小さい女の子は?」
「小さい女の子っていったらダメだよ。一応先輩なんだから」
「……先輩?」

 ふくれっつらで訴える美樹と、怪訝そうに首をかしげる恭賀。

「あぁ、最終試験だかなんだかで俺の付き添いでここにこなきゃいけないんだと」
「試験っていうと……第2種?」
「うん、矢田美樹っていいます。よろしく、ひでりん」
「ひでりん……?」

 変な呼ばれ方をされてさらに首をかしげる恭賀。

「えーっと……どうも人にあだ名をつけるのが好きらしくてな。無理だとは思うがあんまり気にしないでくれると助かる」
「……いい名前だと思うけど……」
「正気か!?」
「うん……じゃあ、そろそろ寝るから……」

 そういい残すと恭賀はふらふらと自分の席に戻り、そのまま眠りについた。

「眠ってばっかりで成績大丈夫なのかな……」

 美樹が心配そうに恭賀を見送る。こいつ、毎日の予習復習を欠かさないタイプだな……置き勉常習犯の俺に言わせると信じられない。

「恭賀さん、成績はいいんですよ。お家で勉強してるんじゃないんですか?」
「それならいいんだけど……」

 微妙に納得しきれてない感じだが、一応自分の中で折り合いをつけたらしい。




「あ、そうだ」

 摩波がすっとんきょうな声をあげる。

「どうかしたか?」
「今日、クラスで歓迎会をやるから来い」
「命令形か」
「え、えっと。摩波ちゃんに悪気はないんです。ちょこっと言葉遣いが悪いだけで」

 絶望的に悪い気がするぞ。

「面白そうだよ。行こうよあんどっち」
「まぁ、俺は別に構わないけど……」
「じゃあ、決まりですね。みんなー! 安藤さんと矢田さん来てくれるそうですよー!」
「んな!?」

 いきなり教室中に向けて大声で呼びかける穂波。

「でかした宮崎!」
「よっし! じゃあ早いところ段取り決めよう!」
「場所はどうする?」

 とたんにものすごい勢いで活気付く教室。っていうか段取り今から決めてんのか。あと、もう先生来てるのにその辺は無視なのか。

 どうやらかなり騒がしいクラスに放り込まれたらしい。歓迎会とやらが無事に済むのかすら怪しい雰囲気だ。

 それでも、もう回避するのは無理っぽい。嘘ついても美樹に一発で見破られそうだし。
 まぁ、どうせ入室ど同時にやらかした身だ。今更何か失うもんがあるでもなし。気を引き締めて望むとするか。



 ちなみに、教室は段取りを決めるために果てしなく騒がしかったが、恭賀はずっと寝てた。







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