学校によって違いはあるでしょうが、学生生活という環境の一番の特徴は自由な時間が多い、ということだと思います。
自由になる時間があるということはつまり自分がやりたいことができるということです。そこで何をやるかはその後の人生において大きな影響がでるでしょう。
もしも四年間の大学生活において学業以外で何かひとつ印象に残ったものをあげてください、と尋ねられたら私はホームページの運営、と答えます。
ホームページというものは言い換えれば自分のプライベート空間です。
与えられたスペースをつかって表現したいものを表現し、訪問者にみてもらい感想をもらってそれを反映する。この繰り返しで人と人とのつながりを深めていく作業がホームページの運営であり、また最高の楽しみです。
私も今までにいろんな人とふれあい、いろんなものの考え方に接してきました。
もちろん、全てが楽しいことだけではありません。私のホームページには二年間で延べ百万人以上の人が訪れてくれましたが、一度だけお叱りのメールを受けたことがあります。
そのメールには少なからず罵倒の言葉も含まれていましたが、私はそのメールに感謝しています。なぜならそういったお叱りの言葉こそが私が省みなければならない部分だからです。都合のいい解釈かもしれませんが、その後お叱りのメールが来なくなったのはそのメールを省みることができたからなのではないかと思います。
ホームページというものはその人の中身の表現です。自分の中身を見てもらい、評価してもらい、成長することができるというのが人付き合いの難しいところで、すばらしいとことではないでしょうか。
私がホームページ運営をしていく中でもうひとつ得たものがこの作文に使われています。
それは、文章で自分の考えていることを伝えるということです。
インターネットのもっとも大きな特徴は相手の顔が見えないということでしょう。その「相手の顔が見えない」という状況で、しかも一方的に情報を発信していく上でいかに自分が思っていることを伝えるか。やってみてわかったのですが、これが難しいものでした。電話や会話のようにリアルタイムで相手の反応が見えるコミュニケーションと違い、自分の考えを完成した文章として発信して説明しなければいけないからです。
相手の反応が見えない状況でわかりやすく言いたいことを伝えるには、自分が相手になりきるということが重要なのだと思います。客観的に、読んだ人がその文章をどう受け取るかを考えなければ意味が伝わらないのです。
私がホームページの運営を通して得たことは、この「常に相手のことを考える」という気持ちです。
これは社会人になってからも一番重要なことだと思います。相手が何を求めているかを考えながら仕事をすることが人の役に立っていく上で一番重要なことなのではないでしょうか。
私はみんなと違ってバイトを何年もこなしたわけではないのでみんなができることで私にはできないことがあるかもしれません。しかし、だからこそ他の人にできないことが確かにできるのだと思います。
学生生活の一番の特徴は時間がある、ということです。その時間で何を学べるか、それが社会人になってからの自分の武器になるのだと信じています。
私は人付き合いで得た自分の武器を誇りに思っています。
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